炭素の循環的利活用研究プロジェクト
R&D Project of Carbon Utilization

大気中の炭素(二酸化炭素)や酸素から有用な物質をつくり出します。

化石燃料の大量消費によって大気中に放出された大量の二酸化炭素は、地球温暖化を引き起こす厄介な物質ですが、それを回収して利用できれば、環境と資源の両方にとって好都合です。植物は、光合成によって二酸化炭素を吸収し、糖や脂質、さまざまな二次代謝産物をつくっています。炭素プロジェクトでは、光合成に関わる制御因子や生理活性物質を探索して、光合成機能を強化することを目指します。また、二酸化炭素を固定する植物、化学的多様性を付加する微生物や化学触媒の開発を行います。そして、炭素から資源となる有用な物質、燃料や素材を自在につくり出す技術の開発が目標です。大気中の酸素を用いた環境に負荷を及ぼさない酸化反応を可能にする触媒の開発も行います。

炭素の循環的利活用研究プロジェクト

生物学と化学は鏡のような関係。互いに学びながら、循環型社会への転換を促進します。

斉藤 和季

プロジェクトリーダー

斉藤 和季 Kazuki Saito

薬学博士

大気中の炭素からいかに有用な物質をつくるか。それが炭素プログラムの最も重要な取り組みです。植物や微生物は光合成から、デンプンやセルロースといった糖類、アミノ酸、脂質、テルペノイド、フラボノイドやアルカロイドといった二次代謝産物など、実に多種多様な物質をつくっています。それらを人は食糧や工業原料、エネルギー、医薬品、健康機能食品などに利用しています。一方で、化学は触媒を利用して多種多様な物質を効率よく大量につくることができます。生物がやっていることを化学で再現できるのか。化学で実現していることを生物ができるのか。生物学と化学は鏡のような関係です。当プロジェクトでは、分野の異なる生物学と化学の研究者が互いに学びながら炭素の循環的利活用技術の開発を進めていきます。異分野の融合は、簡単なことではありません。しかし、チャンスは厄介な顔をして現れてくるものです。石油消費型社会から脱却し、再生可能な資源を活用した循環型社会への転換が必要なことは、誰の目にも明らかです。環境資源科学研究センターは、その引き金を引く役割を担っているのです。私たちは使命感を持って取り組んでいきます。