魔女の雑草「ストライガ」から作物を守る

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「魔女の雑草」と呼ばれるストライガは、トウモロコシやキビ、ソルガムなど農作物の根に寄生して水分や栄養分を横取りし、収穫量を大幅に減らしてしまう恐ろしい寄生植物です。
特にアフリカで猛威を振るっていて、被害が確認されている領域は日本の国土面積を超える約40万km2、被害額は年1,000億円にも上ると推計されています。しかし、有効な駆除方法は確立されていません。
ストライガは、植物の細胞壁由来のキノン化合物を認識することで寄生を開始するのですが、どうやってキノン化合物を認識するのか不明でした。
理研は、ストライガのキノン化合物受容体を世界で初めて発見しました。この発見は、穀物の収穫量を大幅に減らす寄生植物「ストライガ」の寄生機構の理解とその防除、および植物の免疫機構の解明と病原耐性の向上などに貢献すると期待されています。

コシオガマ写真 コシオガマ写真
ストライガと同じハマウツボ科に属する寄生植物のコシオガマ
宿主植物から栄養を奪うコシオガマの肥大した組織(左)
コシオガマの根における CARD1相同性遺伝子の発現部位 (右)

ストライガ写真
ソルガムに寄生するストライガ

関連リンク
植物においてキノン化合物を認識する受容体を発見 (2020年9月3日報道発表)
病害寄生雑草ストライガの全ゲノム解読に成功(2019年9月13日報道発表)
寄生植物は植物ホルモンを使い宿主を太らせる (2017年5月2日報道発表)
理研ニュース2020年11月号